心の教育者-程順則の教え「六諭(りくゆ)」

昨日は、近世の沖縄を代表する人格教育者、文学者、政治家である程順則(ていじゅんそく)と彼が中国から持ち帰った「六諭衍義(りくゆえんぎ)」について簡単にご紹介しました。
今日は、その「六諭」についてもう少し詳しく説明します。
まず、昨日も少し触れましたが、程順則は4回目に中国を訪れた際、「指南広義(しなんこうぎ)」と「六諭衍義(りくゆえんぎ)」の2冊の本を琉球に持ち帰りました。
「指南広義」は、危険な航海が少しでも安全になるように思案した程順則が、天候や天文などについてまとめたものです。
「六諭衍義」は中国に昔からある道徳の本です。
やさしい言葉で書かれていて、中国語を学ぶためにもよいと考えた順則は、私費を投じて印刷し琉球に持ち帰りました。
その後、この「六諭衍義」は将軍吉宗の手にわたり、寺子屋の教科書として日本国中に広まったことは昨日述べた通りです。
それでは、以下に「六諭」について説明します。
とても分かりやすい内容ですので説明の必要はないのかも知れませんが、おおよそ次の通りです。
●<「六諭」>
■1.「孝順父母」-父母に孝順なれ
父母を敬愛し、その教えを大切にしながら人間として正しく生きる道を求めつつ自立すること、それによって父母に心の安らぎを与え、父母の愛に報いる努力を怠らないことが大切である。
■2.「尊敬長上」-長上を尊敬せよ
目上の人を敬うことは当然のこと、たとえ同輩や年若の人であろうとも、それぞれに互いの長所を認め合い、尊敬し合うこと、特に自分よりも技能の高い人や優れた能力を持っている人、常に誠実で思いやりの心をもち、物事に対して冷静に判断し、寛容の心をもって実践する人(徳の高い人)も長上として尊敬することが大切である。
■3.「和睦郷里」-郷里を和睦せよ
ふるさとの自然を愛し、人を愛し、みんなが思いやりの心、やさしい心をもって仲良く生きていくことが大切である。
そのためには、夫婦愛・家族愛を基盤として、郷里の皆が自分のわがままを抑え、相手の立場に立って物事を考え、判断し、互いにいたわり合い、助け合い、協力し合いながら楽しく生活していくこと、それが郷里の平和、世界の平和につながる道である。
■4.「教訓子孫」-子孫を教訓せよ
学問を大切にし、人間として生きていくために必要な基本的生活習慣をしっかり身に付けること、それによって、人としての大切な心を学び、強く正しく生きていく道を習得すること、そしてそれを子や孫にも模範によって教えることが大切である。
■5.「各安生理」-各生理に安んぜよ
人はもって生まれた境遇は変えられないが、努力によっていくらでもより良い人生を送ることができる。従って、自分の立場をよく理解し、目標を持ってねばり強く頑張り、達成した喜びを持ちつつ、自分のやるべきことをしっかり成し遂げることが大切である。
■6.「母作非為」-非為を作すなかれ
人として生まれた以上、人の道に反するような悪いことをしてはならない。また、悪いことを企てたり、考えたり、相談したりしてもならない。常に自分の行いを反省し、いつも善人の道を歩むことを心がけることである。さらに、悪い行いに気づいたり、注意を受けることがあれば、素直にそれを改める勇気を持ち、善い行いをする心が働くように努力することが大切である。
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