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2006年5月12日 (金)

オジー・オバーの祈り2

Haibisukasu03 妻の実家は、沖縄本島北部にある大宜味村大兼久の海岸のすぐそばにあります。

家の後方は美しい自然の残る小高い山に支えられ、季節の山菜や山あいを流れる小川で捕れる小魚やエビ、眼前の海で獲れるカニ、タコ、イカ、様々な魚など、都会ではお目にかかれない自然の幸を楽しむことができる本当にすばらしい所です。

心癒されるまさにふるさとです。

その実家を子供たちと訪れるたび、おじいちゃん、おばあちゃんは大歓迎です。

さっそく「かめえかめえ攻撃」の歓待を受けますが、おじいちゃんは、決まってまず仏壇の前にひざまづき、私たちのために次のように祈ります。

「タンメーヨウサイ、安里(アサトゥ)ヌ夫婦(ミートゥンダ)ガ ウマグァ ムルスルティ チャイビータンド~。
 事故ンケガンネーランヨークー 無事チチュルグゥトゥ 見守リクィミソーチ イッペーニヘーデービル。
 …家族、子孫ヌ幸(クァマガヌサチ) クヌ後(ヌチ)ン 心(ククル)ユリ ウニゲーサビラ。」

(ご先祖さま、安里の夫婦が、孫たちをみな引き連れてやって参りましたよ。
 事故もケガもなく、無事に着けるよう見守り下さり心より感謝申し上げます。
 …家族、子や孫たちが、この後も幸福に過ごせますよう心よりお願い申し上げます。)

おじいちゃんのこの感謝の祈りを同じようにひざまずいて耳にする度に、私たちや子供たちひとりひとりは、おじいちゃん・おばあちゃんの深い愛情を感じ、感謝の念で満たされました。

その仏壇のそばには、おじいちゃんの長男兄さんで、今は亡き神太郎おじいちゃんが残した家訓ともいうべき琉歌が掛けられてあります。

次のようにあります。

 「誠ある人ぬ 後やいちまでぃん 栄えゆくたみし 世々のかぎり」
  マクトゥアルチュヌ アトゥヤイチマディン サカエユクタミシ ユユヌカギリ

 (誠ある人は 後世いつまでも 世が続く限り栄えるものです。)

その家訓をいつも心に留めつつ、真心から祈るおじいちゃんやおばあちゃん。

いつも「必ずしも偉い人、立派な人にならなくてもいいですよ。ただ誠を尽くす良い人になりなさい」と諭す二人の祈りには、本当に大きな力があると感じています。

私たちが今得ているたくさんの恵みは、私たちを深く愛し、その幸福を祈り、手を差し伸べる人々によるものが大きいとも感じています。

「子や孫が 家に来るたび ひざまずき 仏壇の前 オジーの感謝」

※「琉歌」とは奄美・沖縄・宮古・八重山諸島に伝承される
  叙情的短詩形歌謡の総称。
  短歌形式の琉歌は、8・8・8・6の30音からなる定型短詩です。

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